オリジナル詩・短文

□ひとりのクリスマス
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12月24日の夜。


少女の家の中では

棚の上に サンタの顔とトナカイが描かれた絵本
テーブルに いつも食べてるパンとスープ


少女は

いつも着ている 手編みのセーターとつぎはぎだらけのズボン
足には 厚手のあたたかい靴下
耳には 安いけど可愛らしいイヤリング



そとは真っ白の銀世界

少女は外に出ます。


大きな高い高い木は あちらこちらに雪が積もっています


少女はにっこり笑って
木に向かってこう言いました


あなたはもみのきじゃないけど
わたしにとってはただひとつのクリスマスツリーなんだよ

いつもみまもってくれてありがとう
いつもたすけてくれてありがとう


 Merry christmas!


そして幹に軽く口づけをしました。


家にもどって
窓を開けて木を見上げて
お祈りをして
ディナーを食べて
靴下をベッドに吊るして
少女は眠りました



家のそばのクリスマスツリーは
嬉しそうに きらきら輝いているように見えました。



end.
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