オリジナル詩・短文

□桃花想
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『桃花想』



君に近付きたくて

もっと顔を見たくて

こうして僕は手を伸ばす

壊れないように

離れないように


ビクビクしつつも

近づいていくのは


僕が君のとりこ、

だからかな。



雪解け水と春の雨

あたたかな光

森の力

色んな恵みを受け

淡紅色に咲いた君。


次期を過ぎれば散り

緑の葉のみ残す君。



儚い命と知りながら

こうして手を伸ばして

君を欲しいと願う僕を


どうか

どうか


どうか…許して、

桃の花。



END.
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