短編
□ホワイトデー in 四天宝寺
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最近なんか忘れとるような気がしてならん・・・
思い出そうとしとるんやけど、全然出てこへん。
そんなモヤモヤしとるときに、小春たちが部室で、
「小春〜、これバレンタインのお・か・え・し」
「や〜ん!!ユウ君、ア・リ・ガ・ト」
はっ!!
思い出した・・・
今日はホワイトデーや。
財前にお返しせなあかんかった・・・!!
ヤバい。
何も用意してへん!
「どないしよ、白石っ」
「何がや」
俺は白石にホワイトデーのことをうっかりすっかり忘れとったことを話した。
「・・・で、何も用意してないと」
「そうやねん。俺どないしたらええんやろ・・・」
財前のことやから、お返しないとか言ったらごっつい怒るに決まっとる。
「素直に忘れとったって言えばええ。財前もそこまで鬼やないやろ」
いや、白石。誤解しとるで。
財前は鬼や!!
この前だってぜんざいの財前・・・いや、財前のぜんざい一口食べたらその後ごっつい怒っとったからな。
あれはほんまに鬼やったで・・・
「そうや、今日一日財前の言うこと何でもきく、なんてどや?」
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