短編


□深海少女
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悲しみの海に沈んだ私

目を開けるのも億劫

このままどこまでも落ちてゆき

誰にも見つけられないのかな





†††††††




疲れた
生きるのに

私は別に虐められているわけでもないし
病気なわけでもない
五体満足で
両親も健在

何の不自由なんてない

唯一
私は人間不信なだけ

他人が怖い
人間が怖い

クラスでも浮いた存在
そんな私に声を掛ける人なんていない

最初はこんな私にも話しかけてくれる人がいた
だけど私のびくついた反応に徐々に私の周りには人がいなくなった

人が嫌いな私には丁度いいと思っていた
自分の気持ちを話さなくてもいい
顔色を見ながら相手に合わせなくてもいい
なんて気楽なんだ

そう思っていた

でも心のどこかで一人が嫌な自分がいる事に私は気づいた
寂しい
淋しい
さみしい
矛盾した考えに心が悲鳴を上げる
そっとほほに手を当てると冷たい

私はそんな気持ちを家族にも誰にも明かせずにいた




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