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□天邪鬼の法則
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どうせ消えてしまうなら、いっそ壊してしまおうと思った。


「ど、う、して?」

切れ切れの言葉は、相手にとったら、ひどく聞き取り辛いもので、声になっているか不安だった。けど、

「これはチャンスなんだ」

ごめん、と心底申し訳なさそうに、眉を下げる彼を見て、ちゃんと、声が届いていたことを知る。

「、」


どうしてこんな状況になったんだろう。確かあたしたちはいつものようにスターバックスで待ち合わせして、それで手をつないで、店を出ようとして、でもマサトが困ったように立ち止まって。

「突然決まったんだ。ララを愛しているんだよ。でも俺はいかなくちゃ」


―――愛しているくせに、置いていくの?


声にしないよう、気をつけなければならなかった。どうせ彼は、行くのだから。決定した事にとても忠実だということは、よく知っている。それなのに、行ってしまうのに、どうして愛してる、だなんていうの。

「そう」

不思議と冷静で、涙はでなかった。その代わり、全部ぐちゃぐちゃにしてやりたくなったの。

「そうって、ララ。冷てぇな」
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