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□天邪鬼の法則
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「だってもうどうでもいいもん。もう関係ないってことじゃん。最初っから本気じゃなかったし。ばいばい」


その場をあとにしようとする。随分ひどいことを言ったことは分かってる。

―――でもとにかく、早く、速く、はやくここから、逃げなくちゃ。

「ララ!」


声は聞こえるけど、振り返らない。走る必要もない。どうせ、彼はあたしを追って来れないだろうから。けれど、はやく彼の元から逃げたくて、早歩きになる。


まだそれ程彼から離れてないのに、どうしても涙が溢れてくるのを止められない。それでもあたしは必死で。

やっと見えなくなるくらいの距離が空いただろうとき、もう我慢はしなかった。


「――っ、うぁあああぁ」


もう泣いてもいいでしょう?多分あたし、ひどい顔してると思う。涙でメイクも落ちてるだろうし、

「、マサトっ!まさ、とぉ」

でもそんなこと、かまってられない。だって、悲しくてたまらない。顔を上げて空を仰いでも、重力に逆らって涙は込み上げてくる。

彼の前で強がったのは、あたしのプライド。だって、そうしなくちゃ彼の前で喚いて、みっともなく縋って、もしかしたら殺してしまったかもしれない。
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