short
□コンタクト
2ページ/48ページ
今日は随分疲れた。やけに質問が多く、授業が終わってもなかなか切り上げてこれなかった。
生徒はそれなりに可愛いけれど、塾講師としてはなかなか入れ込むことはできない。学校の教師と違って、明らかに俺たちの仕事は学業に重点を置くからだ。
小さくため息をつきながら時計を見る。
―――あぁ…。もう閉店まで15分もないじゃないか。
ここのカフェは落ち着いていて、長居をするのに最適なのに。
特にここのカプチーノはくせになる。
ため息をつきそうになって、でもそれに気づいて直前にそれを飲み込む。
「―――失礼します。お待たせしました、カプチーノです」
幸いすぐにカプチーノはやってきて、それなりに味わうことはできたけど。