なんだろう……よく解んないけどイライラするんだよ。
慧はおれのだって解ってるんだけど、ムカムカする。
***
「へっへ〜ん!ざまぁ、見やがれってんだい!」
「くっ……成宮、貴様っ!」
慧と成っちょが喧嘩するなんていつもの事なのに、なんか嫌だ。
(可笑しいなぁ……。凄く仲良さげに見える。)
「かかって来やがれってんでぃ!」
馬鹿みたいにケツを叩いてる成っちょに慧が噛み付こうとしてるのが見えて、目の前の腕を掴んだ。
「っ…………那智?」
「あの……よ、陽祐から電話が来て早く来てってさぁ〜。だから、成っちょは後にしない〜?」
可笑しい……可笑しすぎる。
いつもならこんな事しないのに。
嘘もなんかバレバレで、慧が眉間の皺を濃くした。
「……なんか変だな、那智。」
「そ、そんな事ないよぉ〜?おれってば、いつも通り、」
「那智!僕に嘘を付くな。」
慧が真面目に見てくるから咄嗟に視線を反らした。
それで更に不信感を感じたらしい慧は、成っちょ達の方を向いた。
「……ふん。今日はこれくらいにしといてやる。」
「あぁ?いきなりどうしたってんだぁ?」
「今日は見逃してやると言っている。だが、次はない。」
行くぞ。って慧が腕を引っ張るから、引きずられるように教室を後にした。
「っ、ちょっと!痛いよぉ〜、慧。」
「あぁ……すまない、那智。」
人気の少ない所まで連れて来られて、慧と二人っきり。
そうしたら治まってきた胸のムカムカ。
(あ、もしかしたら……)
おれは慧と二人になりたかったのかも。
そしたら何となく理由になるかもしれない。
「……っく………そっかぁ〜。」
「ん?いきなりどうした?」
不思議がる慧にぎゅっ、て抱き着いて慧をいっぱい感じる。
「ううん、何でもないよ〜。……ありがとね、慧」
二人っきり。
(たまには良いよね?ね、慧!)
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ヤキモチなち。
→けい不足なち。
可愛いですよね←
09/09/17 神崎乃愛
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