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□その執事、蒐集(完結)
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「その執事、収拾」


セバス:どうしたんですか坊ちゃん。こんな時間に。(夜遅く、厨房で明日の準備をしているとシエルがやってきた)

シエル:う…梅干しが食べたくなった。(入り口から厨房に入り、少し恥ずかしそうに斜め下に目をやりながらセバスチャンの隣へ)

セバス:梅干しですか。…酸っぱいからと言って、私に口移しをするついでにキスをしようだなんていう魂胆じゃないでしょうね?(冷蔵庫からタッパーを出して蓋を開け、箸で梅干しを1つ摘む。シエルの前に差し出す)


シエル:ん…(梅干しを見ながら唾液が出てくるのを感じる)


セバス:はい、あーん。(にっこり笑顔で声をかけ、少し開いたシエルの口に梅干しを入れようとする)

シエル:う…んっ、ん…酸っぱい…。(顔を横に向けて目を堅く瞑り、口を手の甲で押さえる)


セバス:仕方ないですね。ほら、続きは私が食べますから。種もあるでしょうし。(屈んで唇の位置を合わせる)

シエル:ぺっ(種をセバスチャンの顔に吐き出す)

セバス:坊ちゃん…酷いです。これがしたかったのですか…!(立ち上がって身体ごと横を向き、落ち込んでしまう)


シエル:それがしたかったんじゃない。梅干しが食べたかったんだ。(背を向け梅干しの酸味に眉を寄せながら出て行く)


セバス:坊ちゃん…。(梅干しの種を大事そうに拾い微笑む)

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