特殊能力開発専門学校
□予選第二回戦 後編
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ドカーン」
大爆発が起こったのだ。いったいなぜ?
四方にガラスの破片が飛び散る。ガードした両腕に突き刺さり、吹き飛ばされた。
さすがに炎瞳も無傷ではなかったが、かすり傷程度だった。
「バックドラフト。酸素が供給されない高温の密室で急激に大量の酸素が供給され、起きる爆発ですね。」
時雨先生が説明をしてくれる。いや、そんなことはどうでもいい。この状況…かなりマズイ。
もうそれほどスピルも残っていない。
腕に刺さった破片を抜き取りながら、次の手を考えるが何も思い浮かばない。
立ち上がった時、あることに気がついた。
ビー玉がない。吹き飛ばされたときに飛び散ったようだ。炎瞳の近くにコロコロと転がっている。
手元に残ったのは、腕に突き刺さっていた破片…!?
やってみるしかないな。あの時のように出来るかもしれない。よく分からない生き物を出すことが。
集中…集中。
「ボンッ」
やった。成功だ。あの白い毛に覆われた『ヴェール』を出すことが出来た。
時雨先生(まさか、キメラを呼び出すとは…)
「行け、アイツを倒せ」
もう自分は動けなかった。
あとは、ヴェールに任せるしかない。