特殊能力開発専門学校

□予選第二回戦 後編
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炎瞳は炎に包まれ見えなくなり、『硝子牢獄』の形がみんなにも分かっただろう。
八角形に囲まれた炎が、すぐに威力が下がり小さな火になった。
そう、酸素をほとんど使い切ってしまったのだった。この出来事は僕の予想通り。というか、これが炎瞳
に勝つ唯一の方法。炎の無効化だ。火を使うためには3つの条件がある。まず燃える物が必要だ。
炎瞳はスピルを燃やしているため、使い切るのには時間がかかる。てか、無理。
2つ目が温度。温度が低すぎれば燃えないらしいが僕も、その寒さには絶えられないだろう。
ま、1番簡単な酸素を供給を絶つのがもっとも有効だと思う。

「バタッ」

炎瞳は、思った通り酸欠になったようだ。これで試合終了かと思われたが先生は終了を宣言しなかった。
なら追撃するほか無いだろう。炎瞳に近寄って、ガラスを叩き割ればいいだけのことだ。
実はこの牢獄、ガラスを無理やり割ると天井のつらら状に尖ったガラスが落ちてくるのように
仕掛けてある。それは逃げるのを防ぐためだが、外から割っても同じこと…
本当は、僕が直接触れることで串刺しにすることも出来るのだが、さすがにそれはしたくないな。

「これで…終わり。」

ガラスを叩き割ろうとしたそのときだった。
炎瞳が眼を覚ました。酸欠は芝居だったようだ。立ち上がった炎瞳は、僕をめがけて
ガラスを叩き割った。
その時点で僕の勝ちが決まる。炎瞳はガラスに埋もれてしまうのだから。そう思いながらも
炎瞳の思わぬ反撃に反射的に自分を守る体制に入っていた。

「ピキッ、ガシャーン」

ガラスにヒビが入り、牢獄が崩れ去る。と同時に目の前が真っ白になった。
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