パラレル

□〜プロローグ〜
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「ツナ。お前はお前の愛する人の元へ、お前を愛してくれる人の元へ行きなさい。ツナ、幸せになるんだよ。」
そう言って、先代は癖のある茶の髪を梳く。その相手はツナと呼ばれる人形だった。

「リボーン、ツナの事頼んだよ。ツナの持ち主を探す手伝いをしてやってくれ。【ボンゴレ】もせめてツナの真の持ち主が現れるまでは守っていって欲しい。」

愛おしそうに見つめる瞳に切なさを込めて先代は瞳を人形のツナから俺へと移した。そのツナに向ける瞳は我が子に向けるそれのようであり、又恋い焦がれる相手に向ける物のようでもあった。

俺は答える変わりにそっとツナを受け取った。

あの時のツナの瞳が忘れられない。
琥珀で出来た瞳が涙に濡れているようでとても綺麗だったから。

ツナの瞳はあれから見てねぇ
正直あの瞳がもう一度見れる気なんてしなかった

普通では考えられねぇ事だが先代が死んだ翌日−−ツナはその瞳を閉ざしてしまっていた。

今までずっとそうしていたかのように…

又、その瞳を隠すように…

「ツナの琥珀の瞳は愛する人だけを見つめるためにあるんだ。」

そういえば、ツナを作り上げた時に言ってたな…

まさか本当にそんな事があるなんて…

「ツナ…お前は本当変わった人形だな」

癖のある茶の髪に朱が注した頬、今はもう見れない瞳、その全てが可愛い人形だ−−
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