パラレル

□〜プロローグ〜
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でもな、時々思うんだ…
もしかしたらお前は…今も息をしていてその小さな胸の奥底では心臓が動いているんじゃねぇかって……

カラン−−−
【ボンゴレ】の入口の扉にあるベルが鳴り響く−−。
イタリアの町並みを眺めていた俺の視界にボンゴレから出て来た老婦人が映った。大事そうに抱く綺麗に包装された小さな箱。

いつか、ツナもああやって誰かの元へ行くのだろうか。
途端に胸を支配する感情…。

「その日が来ないことを望むなんてな…
「リボーンさん。客の奴にショーウインドーの人形を買いたいと言ってる奴がいるんですけど。」
隼人が後ろから呼びかけた。隼人が来てからというもの店の切り盛りを任せっぱなしとなっているのだが、どうやら上手くやっているようだ。
隼人がここに居る理由には深い訳があるが今は伏せておこう…それよりもツナの事が先決だ。
「売る…んですか?」
「売る訳ねぇ…。誰んとこ行くのもあいつが決めることだからな…」
此処はボンゴレの二階にある作業部屋。眺望がとても良いために先代が気に入っていた場所だ。そこから階下の店内へ下りるとそこには金色の髪を持つ青年に光の加減で漆黒に輝く深い青の髪の青年。金色の髪は恐らくディーノ、もう一人はジャポーネからイタリアに来たと噂の雲雀恭弥とか言う日本人。
(確か先代もジャポーネの生まれだったな…)
「悪いが、それは売れねぇぞ。」
「そっか…残念だな。」
「何、それ。理不尽なんじゃないの?」
残念がるディーノ。買う気があったのはどうやらこちらのようだ。まぁ、雲雀の様子を見れば最初から分かってたようなもんだけどな…。
興味が無さそうに背を扉横のスペースに預けていた雲雀だったが俺の一言が気に入らなかったらしい、近付けば睨みを効かせて一言−−。
「ウダウタ言ってないで売りなよ。咬み殺すよ?」
「まぁ、まぁ恭弥。売れない物は仕方ないだろ?だから良いんだって」
「何寝ぼけたこと言っているの?僕が気に入らないんだよ。誰も貴方のためだなんて言って無いでしょ?」
、売られた喧嘩は俺だって買うつもりはあるが…理不尽て言うのはお互い様では無いかと思う…
必死にディーノが宥めているが雲雀の機嫌は戻らない。
「こいつは売れねぇが、先代の腕は確かだ。他の人形も見てやってくれねぇか?」
「あぁ、そうするよ。」
「じゃあ僕は先に帰るよ。」

俺が一歩食い下がって提案するとその提案にディーノは乗るものの、機嫌を損ねた雲雀はそのまま帰っちまった。
慌ててその背を追いかけるディーノ…。

慌ただしい客だ…

しかし、その頃確実に何かが変わり始めていた。

俺は再び隼人に店番を任せ作業場に戻ることにした。



人形ツナに変化があった日……
それはとても綺麗な青空が広がっていた
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