長編

□日暮らし
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それは、突然のことだった。

「9代目から、直々に渡伊の命令が来たんだ。つー訳で、オレはイタリアに行って来るから、オレが留守にしている間、逃げずにちゃんと、オレが手配した臨時家庭教師のところへ行けよ。」

その言葉と臨時家庭教師の家への地図を残して、リボーンはイタリアへ旅立っていった。
残された綱吉は、リボーンがいなくなり、これで少しは平和な日々が送れるだろうと安堵すると同時に、リボーンが手配したという臨時家庭教師への不安感で、結局悩まされていた。

(ど、どんな人なんだろ・・・いや、もしかしたら人ですらなかったりして・・・;くそ、リボーンの奴!どんな人なのか、ちゃんと説明してから行けよ!;)

心の中でブツブツ文句を言いながら、しかしやっぱりリボーンに逆らうことは怖くてできないので、綱吉はリボーンの残した簡単な地図を見ながら、謎の臨時家庭教師のもとへ向かっていた。





あまりにもアバウトな地図だったため、かなり時間をかけてしまったが、綱吉は何とか臨時家庭教師の家に着いた。

(すっげーでかい家・・・金持ちなのかな。)

ほけー、と目の前の大きな和装の屋敷を見つめる。

(ど、どうしよう・・・入りづらいなぁ・・・;)

綱吉がオロオロと門の前に立ち尽くしていると、門の扉がギイと音を立てて開いて、中からあまりにもよく知っている人物が出てきた。綱吉は、驚愕と恐怖の表情を浮かべて、固まる。

「やぁ、やっと来たね。随分と遅かったじゃない。迷ったの?」

「Σヒ・・・・・!?」

(雲雀さんーっ!?)

あまりの衝撃に声が出なかったので、綱吉は心の中で絶叫する。パクパクと口を動かしている綱吉をおもしろそうに見つめる雲雀は、口元に笑みを乗せて、綱吉も入れるくらい門を開けた。

「ほら、いつまでもそんな所に立ってないで、さっさと入りなよ。」

「Σえぇっ!?は、入っていいんですか!?」

「当たり前でしょ。キミは僕の『生徒』なんだから。」

「や、やっぱり雲雀さんが臨時家庭教師なんですか…;」

再びガチリと音を立てて固まる綱吉に、雲雀はさらにおもしろそうに、妖しく笑ってみせた。

「ほら、おいで。」

無理矢理手首を掴んで引っ張られて、綱吉は強制的に雲雀家に足を踏み入れることになった。





「この部屋、自由に使っていいから。」

綺麗に掃除された和室に案内された綱吉は、驚きの声を上げた。

「Σえっ!?ちょ、部屋って!;どういうことですか!?;」

「今日からキミはここで生活するんだろ?キミは僕の『生徒』なんだから。」

「せ、『生徒』だからって、何で同居するんですか!?」

「何?キミ。僕と同居するのは嫌だっていうの?赤ん坊とは一緒に住んでるのに。」

「え、いや、あそこオレの家ですし;」

「ガタガタとうるさいな。逆らうと咬み殺すよ。」

(り、理不尽だーっ!!;)

こうして、雲雀と綱吉の同居生活がスタートした。
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