紫隻鬼愛

□初恋
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さすがに佐助がいないから相手をしろ、と女がしなだれかかってきたときはタイミング良く帰ってきた佐助にキレたが(そのときは佐助も女に怒って、謝罪してきたから許した)。



あのやわらかいソファに寝転ぶのが結構好きだったのに、しばらくは座るのも遠慮したい──そう思いながらUFOキャッチャーのアームを動かした。






「おかえりチカちゃん」

充分時間をおいてから家へと戻ると、何事もなかったかのように佐助がにこにこと出迎えた。

「……ただいま」

微妙な心持ちで返答する俺を気にすることなく佐助は続ける。

「今夜はヒレカツだよ」
「まじで!?やった!」

佐助とルームシェアをしていて嬉しいことは、うまい飯にありつけることだ(食事を作らない分、洗濯は俺の役目)。

好物がテーブルに並んでいるのを見て、つい四時間前の光景は忘れることにした。

「いただき…」
「こら、手洗ってきなさい」
「へ〜い」






「改めて、いただきまーす!」
「はいはい召し上がれ」




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