紫隻鬼愛
□贈りもの
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「好きな場所は!?」
半ばやけになる鬼。
「元親の好きな場所」
「好きな酒ー!!」
「元親の好きな酒」
以下、具体的なものを延々聞き続けたが、全て同じ形で抽象的な答えが返ってきた。
「…………好きな色は?」
青のはずだと聞いてみた。
「元親の好きな色」
やっぱりか!!
こいつ頭悪いんじゃ─…。
それとも俺には好きなものなど言いたくないとか……?
嫌な疑問が浮かぶ。
「なぁ元親」
呼びかけられてびくっとする。
「俺は別に礼の品とか要らねぇぜ?」
元親は目的を読まれて驚く。
「な、なんで…」
「あんだけ聞いてくりゃ、なんかやろうとしてるってわかんだろ」
政宗はニヤリと笑って元親引っ張った。力によって元親の身体は政宗の腕の中に収まった。
「うわっ何すんだ!!」
「俺は今、最高にhappyなんだ。これ以上なにも要らねぇ…」
耳元で囁かれる。