紫隻鬼愛

□初恋
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授業が終わって今日はゲーセンにでも行くか、と思いながらろくに中身など入ってはいないが邪魔な学生カバンを置きに、一旦家へと帰ってきた。



あくびをしながら靴を脱いで居間へと進むとドア越しに声が聞こえた。



それも、女の嬌声である。



またか、と半ばうんざりしながら思った。そして玄関に女物の靴があったかどうか気をつけるべきだった、と後悔した。

しかし居間を通らなければ自室へは行けない。俺は友達と共に住んでいるのだから。

カバンを置くのは諦めようか?いやもしかしたら居間ではなく友人の私室で事は行われているかもしれない。

そう考えてゆっくりとドアを開けると、期待を裏切って、しかし予想通りに彼らはいた。



ソファの上には友人の佐助が、その上には見知らぬ女が跨り夢中で腰を振っている。



うわぁ…という顔でドアを開けた姿勢のまま固まっていると、佐助がこちらに気づいた。



バレた!と焦る俺に、佐助はごく普通に「おかえりチカ」という意味の笑顔を見せ、次いで「通っていいよ」と目で示した。



ははは……通れるか!!




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