紫隻鬼愛
□贈りもの
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「なぁ、お前の好きなものって何?」
傍にいる政宗に元親が聞いた。
「元親」
「………………いや、そういうんじゃなくて」
「イヤなのかよ?」
顔を向ける政宗に少し赤くなりながら、元親は答えた。
「イヤじゃないけどよ…」
イヤではないが、彼としてはいつも自分に手土産や贈り物をくれる恋人に、礼をしたいのである。
「じゃあなんか好きな食いもんは?」
方向性をしぼって再挑戦。
「元親」
「意味が違う!!」
元親は速攻でつっこみ、危険を回避する。
「あの魚が好き、とか天ぷらがーとか、そういうやつ!!」
元親の言葉にん〜?と考えてから答える政宗。
「元親の好きな食い物」
なんでそんなに抽象的なのか…。
よし、こうなりゃ趣味とかから物を探って…!
「好きな事は?」
「元親に触って色々する事」
「だから意味が違う!!そーいうの無し!!普通に答えろ!」
「元親の好きな事」
うん、分かってない。