紫隻鬼愛
□見ろ
1ページ/4ページ
「元親、I love you」
「うっせぇ、邪魔すんな」
放課後、赤点を取ったがために数学のプリントと格闘している元親。そしてそれを邪魔するのは恋人の政宗である。
「なぁ」
「……」
「My honey」
「……」
「Hey kitty?」
「だぁぁっ!うるせぇっ!つかうぜぇっ!!」
帰れと言ったのに耳を貸さず、前の席からひっきりなしに話しかけてくる相手に怒鳴る。
「Honeyがさっさと終わらさねぇからだろ」
「誰のせいだよ……仕方ねぇだろ、問4が解けねんだ」
「It is an easy problem to solve」
「……あ゙あ゙!?」
英語も不得手な元親には何を言っているのか分からない。
「“それは簡単に解ける問題だ”」
「殺すぞ」
体育以外で得意な教科といえば図工(小学生?)な彼はカチンときた。
一応化学や生物の実験系なら見事にこなすが、悲しいかな、それは成績には反映されていない。
元親はいわゆる“本当の意味で頭は良いが、学校の勉強はね…”というタイプである。