紫隻鬼愛

□初恋
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頭を振ってドアを閉め、カバンを持ったままゲーセンへと向かった。






佐助とルームシェアを始めてから半年ほど経つ。それは同時に出会ってからの時間でもあった。



佐助は悪い奴ではない。むしろとてもいい奴だ。

ただ、女癖がすこぶる悪い、と思う。

先のように帰ったら知らない女がいました、なんてのはざらだ。というか同じ女を連れているのはあまり見ない。

佐助は顔もいいし、運動能力もかなりのもので、頭もいい。いつも席次の30位前後にいる。

が、それも実はトップを取れる実力のくせに、わざと無回答をして順位を落としているのだ。

なぜ1位を取らないのか、と聞くと、だって首席になんてなったら教員とかうるさくて面倒でしょ、とへらへら笑っていた。こっちは赤点ぎりぎりだというのに腹の立つことこの上ない。



またまめな性格をしていて、それが女性相手にもいかんなく発揮されているからものすごくモテる。

まあ人の女関係にどうこう言うのもあれだから放っている。




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