紫隻鬼愛

□あっちとこっち
2ページ/7ページ




驚いたのは幸村だ。

「なっ!?酷いですぞ慶次殿!某のどこが負けてるでござる!!」
「「それだよ!むしろ全部だ!!」」

見事なハモりを見せる政宗と慶次。二人が指差すのは幸村の手の中の団子。しかも餡子が頬やら額(どうやって?)やらについている。

「団子を笑う者は団子に泣くでござる!!そうだろう佐助!」

いきなり話を振られて、苦笑いする佐助。

「意味不明だよ旦那…う〜ん、悪いけど俺様もちょっと負けてると思う」

部下の発言にショックを受け、味方を求めて小十郎を見る幸村(でも団子は食う)。今まで黙っていた小十郎が口を開いた。
「お互い当たってると分かってんだろ」

茶をすすりながらさも当然と言う小十郎に、三人はキレた。

「お前らなんか武将化すらしてないだろうが!!」
「そうだ、そうだ!佐助なんて話にも出てこないじゃん!!」
「全くでござる!!」

痛いところを突かれ、思わず黙る二人。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ