紫隻鬼愛
□あっちとこっち
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驚いたのは幸村だ。
「なっ!?酷いですぞ慶次殿!某のどこが負けてるでござる!!」
「「それだよ!むしろ全部だ!!」」
見事なハモりを見せる政宗と慶次。二人が指差すのは幸村の手の中の団子。しかも餡子が頬やら額(どうやって?)やらについている。
「団子を笑う者は団子に泣くでござる!!そうだろう佐助!」
いきなり話を振られて、苦笑いする佐助。
「意味不明だよ旦那…う〜ん、悪いけど俺様もちょっと負けてると思う」
部下の発言にショックを受け、味方を求めて小十郎を見る幸村(でも団子は食う)。今まで黙っていた小十郎が口を開いた。
「お互い当たってると分かってんだろ」
茶をすすりながらさも当然と言う小十郎に、三人はキレた。
「お前らなんか武将化すらしてないだろうが!!」
「そうだ、そうだ!佐助なんて話にも出てこないじゃん!!」
「全くでござる!!」
痛いところを突かれ、思わず黙る二人。