紫隻鬼愛
□見ろ
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「んな紙切ればっかじゃなくて、少しはこっち見ろよ……」
元親の手が止まった。顔を上げると、政宗はまるでだだをこねる子供のような表情をしている。
「…なにお前、それでさっきから邪魔してたわけ?」
「………るせぇ」
帰れと言ったのに帰らないのは、傍にいたいから。
邪魔をするのは構ってほしいから。
素直じゃない恋人に苦笑がもれた。
「なに笑ってんだよ」
「わりぃ─…後もう少しだから大人しくしてろ」
「…………」
不満げな政宗に元親は優しく笑った。
「終わったら、お前のことだけ見てやるよ」