永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□13日『天使』
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千尋と共に学校へ来た。
そこには保護者や、他校生徒もなんでもありな状態だった。
幸い、うちの高校は大学とか短大とか、色々施設が集まってるから、とにかく敷地が大きい。
なので全員は余裕で入る。そもそも来ている人間が少ないというのもあるんだが。

「へぇ、結構広いじゃない」
「ああ、俺も全部は分からないくらい広いぞ」
「…分からないならどうやって場所を探すの?」
「地図ならあるから大丈夫だ」
千尋が呆れているのは、単なる気のせいだと思う。
「あ」
伊達に似た男の姿を見た。
そして、目があった。

伊達?は俺を見て、逃げた様な気がした。
「どうしたの?」
「今さっき伊達が――」
伊達?の姿はない。

「気のせいじゃない?」
「そうかもな…でもなんだよ、あいつ。人の事誘っておいて」
「嫌われてるんじゃない?」
「そのまま返したい所存だ」
「なによそれ」
伊達は千尋の事が苦手らしい。
別に嫌いじゃないらしいが、とにかく性格が苦手らしい。
この事は千尋に言うな、伊達と口止めさせられており、喋るとこっちまで被害を被る。
「まあ、いいだろ。それより、そろそろ始まるぞ」
校長先生の話が始まった。
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