永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□13日『天使』
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「…起きて」
誰か分からない声がした。
目覚ましだから、多分羽衣だろう。
「…羽衣か」
「羽衣…?なにそれ、ゲームのキャラクター?」
あれ?羽衣じゃない?
てか、ここ何処だ?
そもそも、なにしてたんだっけ?
「それより早く宝探しするんでしょ」
え?宝探し?
「…あ」
「ああ!!」
「い、いきなりどうしたの?」
目を開けると、驚いている千尋がいた。
「…あ、いや、その、えっと、あれだ!えっと、昨日のアニメのあれ、夢、見てた」
「ふ〜ん。ま、いいけど」
な、なんとか誤魔化せたか。
いや、誤魔化せてないだろ!

「それより、するんでしょ。宝探し」
「ああ、そうだったな」
時間が経ってるだろうから、急いで校舎に入ろうとした。
「待ってください」
羽衣の声が聞こえた。
「なんだよ?」
「何か嫌な予感がするんです」
「何が言いたいんだ?」
「だから、入らない方がいいと思うんです」

「何やってるの!早くしないと置いてくわよ!」
先に行った千尋が叫んだ。
「とりあえず今は行くしかないみたいだ。悪い!今からそっち行く!」
急いで校舎へ走った。

途端。大地が大きく揺れた。
「な、なんだ!?」
下手すると東日本大震災レベルじゃないか!?
しかし、揺れは直ぐに収まった。
「ただの地震…じゃないな」
千尋は黙って頷く。
「行くぞ」
俺達は校舎に入った。

校舎の中は真っ暗だった。電灯は消えており、天気も悪くなっていたからだ。
「不気味だな」
俺は辺りを警戒しながら進む。
「ビビってんの?だらしない」
千尋が先に進む。
「慎重だと言ってくれ。あとあんまり離れるなよ」
「やっぱりビビってるじゃない」
当て付けるように先に進む。
「だから心配してるって言ってるだろ!」
そう言うと千尋はぴたりと止まり、こっちを振り向いた。
「じゃあ、私があんたをぶっ倒しても先に進むって言ったらどうする?私と一緒に進む?それとも帰る?」
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