永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□13日『天使』
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「智輝、すみません。避けられました」
「謝る事が違う!誰がアイツを殺せと言った!?」
「すみません。排除すべきかと思いまして」
「まあいい。星斗が回避したんだ…それと、星斗ォ。誰が襲いかかっていいって言ったァ?」
「なん、でだよ?」
「ん?」
「なんで、こんな事…?」
「理由か?ムカツク、それだけだよ。悪いか?」
「悪いに決まってるだろ!!」
「エンジェル、なんか言ってやれよ」
「何を言ってあげればいいでしょうか?」
「ん〜、とりあえず謝ったらどうだ?」
「分かりました」
エンジェルさんは真正面を向く。
「傷付けてしまって申し訳ありません。次は仕留めます」
「だから殺すなつってんだろ!」
「申し訳ありません」
「チッ!それしか言えねーのかよ。まあ、悪かったな。ウチの出来損ないがお前のどうでもいい顔傷付けて」

頬が熱い。いや、冷たい。冷た過ぎて、熱いように感じているだけだ。
手で頬を触るとそれが分かる。頬に、傷口に氷が張り付いてるようだ。
「魔術か…」
「…っ!へぇ、星斗にしては、案外物分かりがいいじゃないか」
「聞きたい事がある」
「お前は『魔術師』なのか?」
「ハア?だから、オレは魔術師じゃねえって言ってんだろ?」
「8日のはお前の仕業か、と聞いている」
「8日ァ?なんだそれ?なんでもかんでもオレのせいにすんなよ」
違う?いや、エンジェルの独断かもしれない。
「それにしても意外だなァ。お前が結界(コレ)に引っ掛からないなんて」
「どういう意味だ?」
「この結界は、人物のある特定の感情に反応して、その感情から精神や身体に影響を与えるんだ。その感情って言うのがな――」
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