永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□12日『女子高生探偵』
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事件現場その一。人通りの少ない道だ。警察が使う黄色いテープで閉鎖されてる。赤い染みが見える。
「あまりいい気分じゃないな。つーかどうやって調査するんだよ?」
「さあ?人から話を聞くとか?」
「……」
馬鹿だ。

俺の視線に怪しい男が映る。
「なあ、千尋、あれ…」
千尋にそれを報告。
「くたびれた背広…鋭い目付き……抜群に怪しいわね」
千尋が男に近付こうとしたが、俺はそれを止める。
「怪しいのに近付くのか?」
「怪しいから近付くのよ!」
千尋はそう言って男を指差す。
「あ、あんま大きな声で怪しいとか言うなって」
「何か悪い?」
「悪いに決まってる。危ないだろうが」
「虎穴に入らずんば虎児を得ず、よ」
「ちょっとそこの君達ィ」
男が俺達に気付いた。
「だったら俺はこう言う」
俺は千尋の腕を掴んだ。
「君子危うきに近寄らず、た…逃げるぞ!」
俺と千尋はとにかく逃げた。
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