永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□12日『女子高生探偵』
6ページ/15ページ

「…本当に大丈夫ですか?」
外人さんは後頭部を擦る。
「……大丈夫じゃないかもしれないです」
「「えっ?」」
俺と千尋は声を合わせて戸惑う。
「記憶が消えました。名前も思い出せません」
「どどどどうするう!?」
思わず千尋を見る。
「わ、わた、私は関係ないから!」
千尋は逃げ出した。
「あ!待ちやがれ!」
俺は千尋を追いかけようとした。しかし、後ろから引っ張られる。
「あの、外人さん?」
「貴方にどっか行かれたら困ります」
あ、そりゃそうか…くそう、千尋のせいでとんだ災難にあった。いや、この外人さんの方が災難か。
「あの、自分の名前、思い出せませんか?」
「はい」
即答かよ!これはいよいよ本当にまずいんじゃないか?
「ど、どこかに行こうとしてたとかは?」
「分かりません」
再び即答!
「じゃ、じゃあ、取り敢えず交番に――」
「嫌です」
言い終わる前に!即答より早い!そもそもこの辺詳しくないから交番がどこか分からなかった。
「じゃ、じゃあ、どうすればいいんですか?」
「思い出すまでちょっと付き合ってください」
……もう意味が分からん。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ