永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□12日『女子高生探偵』
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雑貨店。日曜日のためか人が多い。
「で、外人さん。どこに行きたいんですか?」
「やめてください」
「え?」
「『外人さん』って呼ぶの、やめてください。少し癇に癇に障ります」
「あ、すみません。でも、なんて呼んだらいいすかね?」
「名前で」
「名前を忘れてるから一緒に行動してるんじゃ?」
外人さ――女性は少し考える。
「そうですね。どうしましょうか?」
思ったよりおっとりとしてるな。

「仮に名前とかつけますか?」
「そうですね。貴方から見て私はどんな風に見えますか?」
「どんな風にと言われましても…」
それなりに美人で、少しきつそうに見えるけど実は抜けてる。みたいな。気持ち悪いな。
「い、いい感じに見えます」
「具体的には?」
「えっと、それは――」

「そ、そうだ!俺、名前考えちゃいます!こう見えても命名経験あるんですよ」
「…そう…ですか」
あからさまに不安そうだな。確かに自分でも不安だ。命名経験なんて一回だし、困ったな。
「好きな数字は?」
「はい?」
「ありませんか?」
「はい」
「じゃあ――」
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