永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□12日『女子高生探偵』
9ページ/15ページ

それから、絽羽さんと近くにある電気屋やら何やら色々行ったが、絽羽さんは何も思い出さなかった。
が、思わぬ出費。どっかの店で見かけた安い指輪。絽羽さんはそれを気に入ってしまい、俺が買う事になった。財布が空っぽになったが、俺に拒否権なんて物はなかった。
「よかったんすか?そんなんで」
「もっと高い物が買いたかったですか?」
「いや、それは無理ですけど…」
「じゃあ、いいじゃないですか?」
「そんなもんっすかね」
俺の視線の先に伊達がいた。
「あ、伊達!」
「よう星斗。珍しく女と一緒――ってお前!」
伊達は絽羽さんを見て驚く。
「もしかして、知り合い?」
「ああ、知り合いだよ。今日一緒に買い物に来たんだ」
「そうか、そりゃよかった。ねえ?」
絽羽さんの方を見た。少し顔色が悪そうだ。
「まったく、手間かけさせて。ほら、行くぞ」
「ちょっと待てって、この人は――」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ