永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□8日『魔術師』
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「……」
俺の部屋。
「……」
そこは雨の音が支配していた。
「……」
部屋には正座をしている俺と、机の上にいる羽衣だけがいる。
「何か言い訳はありますか?」
羽衣がようやく口を開く。
「よ、夜中までゲームして、ました」
前にも言った通り、休みの俺は引きこもりだ。深夜まででゲームするのが当たり前なのだ!
誇る事ではない。因みにやっていたのは『ゴリバ』で、なんとか『神様ルート』中盤まで行った。
これがね、覚醒した『有羽』と戦わないといけないのさ。
『有羽』好きの俺としてはとてもアレなのだ。
そんなら『神様ルート』通るなと言いたいのは分かるが、『人間ルート』はこれもクリアしないと行けないんだよ。
…脱線スマソ。元に戻ろう。

「今、何時ですか?」
「…15時半です」
「…説教してる時間も惜しいです。早く『アルタイル』に行きましょう」
「本当に行くの?今日雨だぜ?あと体調悪いんだけど」
というのは建て前で、実際は鷲野さんに会いたくないだけ。
なんというか、根本的に俺と合わない。……気がする。
「…まさか、行かないつもりじゃないですよね?」
羽衣は笑顔で言ってあるが、目は笑っていない。
ビ、ビビってねえよ!マジで。いやマジだから!
「…イエス、マム」
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