永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□9日『出逢い』
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織姫“候補”探しにとりあえず、ゲーセンに来た。
近くで若者が集まる場所がゲーセンしか思いつかない自分を殴りたい。
「外に出ちゃって大丈夫ですか?」
鞄の中から羽衣が聞く。
「なんでそんな事聞くんだ?」
「忘れたんですか?何者かに狙われてるんですよ」
「ああ、それか。それなら大丈夫だ。ちゃんと銃を持ってきたから」
腰の方にある拳銃をこんこんと叩く。
「でも、実力行使してきたらどうするつもりですか?」
「へ…?み、水だけじゃ、ないの?」
「当たり前ですよ、魔術師だったら、火や風や土とかを使ってくるに決まってるじゃないですか」
「…そう、なの?」
「もしかして、考えて無かったなんて言いませんよね?」
考えて無かった。
「…わ、悪い」
「なら危険ですね、狙ってくださいと言わんばかりじゃないですか。早く逃げましょう」
「あ、ああ!」
急いでゲーセンから逃げた。

「はあ…はあ…はあ…はあ…」
「あのですね、逃げろと、言いましたけど、ここに来てどうするんですか!?」
「…はあ…はあ…へぇ…?」

よく見たら、そこは公園だった。もちろん人はいない。
携帯電話のバイブレータが鳴った。
「うわっ!」
メールだ。
「誰からですか!?」
恐る恐る携帯電話を開く。
『TOKUSATHU_HERO――』
メールを開く。
『遅い、行くから待ってろ』
「…あ」
「星斗、逃げてください!直接対決なんてしたら貴方では勝てません!」
「ああ、言われなくても」
公園から逃げようとした。
「待ちなさい、星斗!」
耳鳴りと共に、後ろから強気な女の声がした。
もう追い付かれたのか?!
「貴方には死んでもらうわ!」
DEADEND。
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