永遠の小夜曲(セレナ-デ)

□13日『天使』
2ページ/18ページ

そして公園に来た。意味はないし、近いわけでもない。学校からより家からの方が近い。
ただなんとなく来た。『ぶらり(ry』なのであまり深く考えてはいけない。
そんな公園には、千尋の姿があった。
「あ」
「…あ!星斗!昨日はよくも電話切ってくれたわね!」
「ご、ごめんって。ほら、伊達の奴が仙台駅の近くにいたから心配になったんだよ」
「そう言えば昨日会ったとか言ってたわね」
「そうそう、友達は心配だろ?」
「…もしかして、昨日、私を心配したのも?」
「うん、そうだけど?」
千尋は固まる。しまった、伊達と同じランクにしたのが悪かったか?
「いや、あれ、お前は、ほら、友達つーか親友つーか、いや、親友って言うのも一方的か。じゃあ、う〜ん」
「もうなんでもいいわよ」
千尋のテンションが低くなってる。どうするかな。

「そ、そうだ!何してんだ?」
「…ちょっとね…ここに来た時の事思い出してた」
「なんかあったっけ?」
「だから、脅迫メール」
「自分で言うなよ」
「楽しかったな〜、あれ」
千尋のテンションが少し上がる。
「星斗の方こそ似合わない制服なんか着てなにしてるの?」
「暇潰し。あと似合わないは余計だ。誰でもいいかコンビを組んで学校で宝探しとやらがあってな」
「宝探し?!」
「そんな驚くなよ。いや、驚くか、普通。伊達の奴が来い、ってさ…俺は忘れてたから行く時間を間違えて、というわけだ」
「ああ、そう。相方は決まったの?」
「うーん、伊達が誘って来たが、どうせ彼女を俺に見せつけたいだけだろうし、最悪姉貴を呼べばいいだろ」
「ねぇ、それって私も行っていい?」
「え?確か、誰でもいい筈だったぞ、うん」
「そっか、なら私が行くわ」
「え?」

「ダメなの?」
そういや千尋はこういう祭りとかレクリエーションとか、好きだったからな。
というか好きでなきゃ、仙台七夕祭りなんてしょぼい祭りには来ないし。
「う〜ん、どうすっかな?」
「何?嫌なの?昨日私の電話一方的に切って、今日も行事があるって一方的に見せびらかすの?」
捻くれてる。
「分かったよ。頼りにしてるぜ」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ