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□七夕の夜に願いを・・・
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七夕の夜に願いを・・・



「♪〜♪♪〜♪♪〜」
<ガサガサッ>
「よしっと…」
「何してるの?」
「うわっ!!
も…もう!びっくりするじゃん!」
「何、ソレ。」
「何って…笹。」
「知ってる。そうじゃなくてどうして応接室に笹があるの?」
「だって〜今日は七夕だよ!
おりひめ様とひこぼしが1年に一度会える日なんだよ!」
「ふぅん…そう。」
(ひこぼしは呼び捨てなんだね…)
「…なーんか、冷めてない?」
「他人の恋愛に興味がないだけだよ。」
「ふーん…私は好きだけどなァ…七夕。」
「何で?」
「七夕ってお願い事するでしょ?
星に願い事をするのって、叶いそうな気がしない?ほら、流れ星だってそうでしょ!」
「僕は自分の欲しいモノは自分で手に入れるから星に願い事をするなんて必要ないよ。」
「恭弥は…そうかも知れないけど…」
「…雨がきそうだね…帰ろうか。」
<バサッ>
恭弥は学ランをヒラリと翻して、スタスタと行ってしまった。
「あっ…恭弥…?待って!」
私は恭弥と一緒に正面玄関に向かった…
外はいつの間にか暗くなっていて、夜空には星が見えるはずなのに…突然の雨に空には雲がかかっていて、星は見えなかった…
「雨…」
「…通り雨だよ。
でも帰れそうにないね…」
「うん…
でも…今年も…二人は会えないね…」
「ねぇ…名無しさんは七夕の物語を知ってるかい?」
「知らないことはないけど…
そう言えば、あんまりよくわかんないな…」
「その昔…西の空に機織りを仕事とするおりひめという天女が居たそうだよ…」
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