本
□今から君に告白します。
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「ねぇ、」
「おい、」
素敵なカフェで恋人達が愛を囁く頃、そこには絵になるような美人が二人。
一見二人とも女性に見えるそれは、暖かいミルクティーが冷める頃、やっと言葉を交わした。
「なっ何よ、用があるなら早く言いなさいよね!」
ああもう!アルトのバカバカバカ!
何でこのタイミングで話し出すのよ!やっと言葉がまとまって言おう!って決心した時だったのに!バカ!
これじゃ切り出しにくいじゃないっ!
「おっお前こそ、先に言ったらどうだ?」
クソッ!なんで今言おうとするんだよ、昨日からずっと考えてた言葉、忘れちまったじゃねぇか!
えええと、確か…お前に…何だ…?
「…な、何よ…」
やっやだ!もしかしてランカちゃんと付き合いはじめたとか…!?何よ!アルトのくせに!
でも、本当にそうだったら…ってまだ決まったわけじゃ無いのに!!
ああもう!
「…な、何だよ…」
ちょっと待て…シェリルがこんな改まって言うんだから…
!まさか、こいつブレラとかに告るのを俺に相談してきたのか!?
可能性は0では無い…が…
そうだよな…あいつ、シェリルのボディーガードとかしてたけど…どうなんだ…?
「……」
もー…らしくないなぁ…
「……」
この沈黙…どうすれば「ねぇ!」
「うぉっ!ななな何だよ!」
「どうしたのよ!…良いわ、同時に用件を言いましょ!」
「それじゃ上手く聞き取れないだろ」
「良いじゃない。あたしの用件、短いもの」
うん、そうした方が緊張感も減るし!もしアルトがあたしの想像通りの用件だとしても、きっと聞き取れないから大丈…夫…
って!ダメダメ!こんな弱気じゃ!
あたしはシェリル!シェリル・ノームよ!
「わ、分かった」
シェリルの用件短いのか…って!俺言うこと決めてねぇぞ!
ああもう単刀直入にいこう!うん!
「じゃあ、せーのでいくわよ」
「あぁ」
来た。
その一言に息を込めて
ド
キ
ン
「「せーの」」
今から君に告白します。
「 」
(二人が結ばれるまで、あと1秒)
ははは初アルシェリです。
お恥ずかしい…
お読み下さってありがとうございました!
ちなみにアルト君は「お前に毎日みそ汁を作ってやる!」って言おうとしてました。
シェリルが作れないのは知ってるからね!
変なとこ日本人だと良い。