本
□夕暮れの街、君と。
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アルトもシェリルも普通の学生設定です。
「あの、好きです。僕と付き合ってもらえませんか?」
「…ごめんなさい。」
「絶対に君を幸せにする。誓うよ!」
「…しつこいわね!」
「お、シェリル。またされたのか?」
「あら、アルト。
アルトだって人のこと言えないでしょ?無駄に男前だし。」
はは。とか言いながら、空いてる前の席に座る。
今は放課後。とても静かな時間が過ぎていく。
騒がしいのが嫌いではない。
が、二人ともこの静かな時間が心地好かった。
「なぁ、今日一緒に帰らねぇか?」
「?今日は飛ばないのね。」
「まぁな。」
「なら…」
「帰ろうぜ。」
「えぇ。」
重い腰を上げ教室を出た。
街は綺麗な夕焼けに染まっていた。
人工的に作られたものでも、シェリルは綺麗だと言った。
「なぁ、お前は彼氏ってつくんないのか?」
「え?」
「たくさん告白されてるのに。て思ったからさ。」
「…うーん…。
なんか皆、面白がってるっぽいの!
あたしが芸能科で、歌手志望だから。未来の芸能人と関わっとくと良いかなって感じなんですもの!」
「へー、そういうもんか。」
しかし、そう思ってるのはシェリルだけで、彼女に告白した人全員が、彼女のことを本気で好きだったと言うのは周知の事実だった。
「アルトだって全然人のこと言えないからね。」
「そうか?」
「じゃあ、何でアルトは彼女つくらないの?」
そう聞くと彼は、好きな奴はちゃんといるからな。
って、さらりと言ったわ。
爽やかだけど、恥ずかしい言葉。
「告白しないの?」
「断られたらイヤだなーみたいな。」
「へー。大丈夫、きっと断る人いないわよ。」
「そうかぁ?」て質問に「そうそう。」と返す。
こんな女顔負け美青年ほっとく女性いないと思うわ。
「じゃあ、告白してみようかな。」
空を見ながら言うアルト。
「やれー!」
笑うシェリル。
目線が空からシェリルに移り変わる。
「好きです。俺と付き合ってもらえませんか?」
いきなりの言葉。
私は後ろに誰か居るのかと思いバッと振り向いた。
刹那、アルトに後ろから抱きしめられた。
「お前に言ったんだ。
俺はYesしか受け取らないからな。」
「…ずるいわ。答え決まってるなんて。」
紅くなるシェリル。
「答えがあった方が早く聞けるからな。
…で、返事は?」
「…私のお願い聞いてくれるなら良いわよ?」
「本当か?じゃあ、決まりだな。」
そう言うとアルトは、私から誓いのキスを奪っていった。
「さぁ、暗くなる前に帰ろう。」
「えぇ。」
真っ赤な夕日が背中を押した。
夕暮れの街、君と。
〜end〜
「そう言えばお願いって何だ?」
「今度、また遊覧飛行して欲しいの!」
「あっ…あぁ!あのノーパ「穿くわよ!」
「…」
「え、ダメ?」
「いや、いいよ。
その代わり、その後付き合えよ?」
「アルト、あんたどんどんキャラ変わってくわね。」
お読み下さってありがとうございました!
我が家のアルトはシェリルの為なら、肉食にも草食にもなります。