□君の笑顔が僕の心を掴んで離さないというのに
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「アルト!」



シェリルが笑っていた


「……おう、」


「帰りましょ?」



どんなに辛くても、


シェリルの笑顔を見たら


俺はやっぱり嬉しくて、



「…え?あぁ、いいけどお前…」



「さっ、帰るわよー!
今日は特番の撮影もあるし!」


「…ちょ、引っ張んなよっ」



でも、


その笑顔の理由を考えると




やっぱり、悲しくて。



「ねぇ、公園寄らない?」


「……?」



「話があるの、」



「撮影の時間、平気か?」



「私はプロよ!スケジュール時間の管理くらい完璧よ。」



いつも通り強気な彼女から

付き合うことになった、とか言われるんだろうか。


いや、きっとシェリルなら、ありがとうとか言うんだろうな。


応援してくれてありがとうって、いつもより幸せそうな笑顔で言うんだろうな。



「あぁ……………いいぜ。」


本当は、聞きたくなかった。


「ブランコ乗ろ、」



「…おう。」


彼女の幸せを願っていたはずなのに



「………あのね、」



俺はその幸せを、




受け止めたくなかった




「……………駄目、だったの…」



でも、



「…ブレラに振られちゃったわ…」




現実は、違ってて

俺には、理解不能で




「……どうして…」



シェリルが何を言ってるのか、よくわからなかった。


だって、なかったから。

彼女が振られてしまう理由が、俺には見つけられなかったから。



「……守りたい子、いるんだって、」



あ…ランカか……



「私もその、守りたい子の一人で…違う目線からは見れな…いって…」



そういうことか…


でも、振られたら、辛いって、俺はよく知っている。


泣きたくて、苦しくて、辛いって知っている。



だからさ、



「だから…すまないって。」


そんな顔すんなよ



「やっぱり、ランカちゃん。大切よね…」



笑おうとすんなよ


(笑えてねェんだよ、バカ)



「私も、その大切な人に入ってるのは嬉しいわ」


「あぁ…」


「…好きだけどね、」


「…………」


「…違う目線からは見れないって…はっきり言われたら、諦めないといけないじゃない?」



そんなこと、言うなよ



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