本
□どうか、その瞳に映る世界は美しくありますように
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「………え……?」
あいつのことが忘れられない。
あの日から1週間、俺はシェリルのそんな相談を何度も受け続けた。
慰めてほしい、だなんて言われたら、
そりゃ精一杯慰めてやりたかった。
シェリルのことならなんだって、全部受け止めるつもりだった。
だけど悪いな、
俺もう限界なんだよ。
「……知らねぇよ。」
「……アルト…?」
「…お前がブレラを好きだとか…んなもん俺は興味ねぇんだよ!」
多分、イライラが頂点に達してたんだと思う。
「…なんで俺に言うんだよ!俺はあいつじゃねぇんだ!!」
「……な、え…アルト…?」
現状が掴めていなさそうな彼女。
多分、もう嫌になってたんだ。
「いい加減諦めろよ!ブレラはお前を見てないんだよ!!」
「………っ…」
シェリルがあいつを好きだって気持ちが嫌になる位わかりすぎて、
イライラが爆発しちまったんだ、きっと。
「どうして…何であいつなんだよ!」
だから、
「な、んで…っ…」
あの時俺は
「…なんで俺じゃねぇんだよ…!!」
そう言っちまったんじゃねぇかな
「……───…!」
でも、
「……シェリル、」
「……え…アル…ト……?」
不思議だよな
「…ずっと、好きだった…」
1度言っちまえば、
もう全然止まらねぇんだよ。
「……俺にしろよ、」
「………!」
今までずっと言えなかったことを
初めて抱き寄せながら言って
「…ブレラなんか…忘れろよ…」
ずっと言いたかったことを
「……俺がいるじゃねぇか…!」
抱きしめながら、何度も伝えた
「……代わりでいい、」
「………ぇ……?」
なんかさ、
こうなっちまえば、もうどうだっていいんだ。
「…あいつの代わりでいいから。」