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□7.一緒にいられる幸せ
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「……では、各クラスの実行委員はダンボール等の備品がいくつ必要かを調べてこちらへ報告してください。今日は以上です。次の集まりは2日後になります」
面倒な実行委員会が終わり、資料を抱えて黒子くんと教室まで戻ってきた。
「ねぇ、黒子くん。この出し物ほんとにやるの?」
「やりますよ。クラスで決まったんですから。委員会にも報告しましたし、やるしかないです、もう」
「はぁ〜……こういうの恥ずかしいって思ってる人わたし以外にも絶対いるって」
「まぁ、そうでしょうね。でも、楽しみです」
「黒子くん意外と乗り気だよね」
わたしたちのクラスは喫茶店になりそうという話だったのだが、案の定満場一致で喫茶店になった。
しかしわたしがいっているのはその内容のことで。
ただの喫茶店では面白味も何もない、という意見から話し合いが行われた結果、メイド喫茶のようなものをやることになってしまったのだ。
ただ、男子もいる為、男子は執事の格好をするらしい。
要するに、執事喫茶でもある。
わたしが恥ずかしいと言っているのはその格好のことで。
「だ、男子はまだいいかもしれないけどさ、わたしたちなんてメイド服着るんだよ?恥ずかしいよ、やっぱり」
遠慮がちにそう言うと、黒子くんは少し黙ったかと思えば急にわたしに微笑みかけてきた。
「でも、きっと似合いますよ、神崎さんには」
「えっ…に、似合うわけないじゃん!いい笑い者にされるかも」
「そんなことないです。少なくとも僕は、絶対笑ったりしません」
ほら、やっぱり黒子くんは優しすぎる。
わたしは、黒子くんにそう言われてこの上なく嬉しかった。取り乱すところだった。
そうやって君はまたわたしを期待させる。
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