PLAYERS
□キスしよっか
2ページ/3ページ
「す…好き…に決まってるじゃない…」
「よかった」
いつもと違う、と思った。
いつにも増してなんだかSっ気がたっぷりなくせに、なぜかその顔は優しそうだった。
でもやっぱり"好き"。
それ以外なかった。
「……涼太」
「なんスか?」
「さっきの…もう一回言って…」
え?という顔をされたが、そしてふっと笑いながら
「…好き」
「うん」
「好きっス」
「うん」
「みくが好き」
好きといわれる度に顔が熱くなる。けど、涼太は何回も好きと言ってくれた。こんな状況なのにこの上なくうれしかった。
「嬉しい。あたしも…大好き」
ちょっと照れくさそうに笑う涼太。
「あの、さ、手首痛いからそろそろ離して……?」
「あっああっごめんっス!!」
手を押さえつけていた感覚が消える。
でもまだこの状況だというのに抵抗する気も起きなかった。むしろ、逆だった。
一呼吸おいてから言った。
「ねぇ涼太……キス、しよっか」
涼太の顔に向かって両手を伸ばした。まるで受け入れるかのようにして。
涼太は何も言わずに笑いかけ、ゆっくり、覆い被さるようにしてあたしの唇を塞いだ。
角度を変えてはキスを繰り返す。
キスって、こんなに気持ちよかったっけ……。
たまにできる隙間から吐息が漏れた。
「…ん、ちょっと…苦し…っ」
あまりに長いキスで苦しくなり、荒い息のまま顔をそむけると不意に名前を呼ばれた。
「みく、俺を見て?」
目を向けると優しい笑顔があった。なんて綺麗な顔立ちをしているんだろう。
いつも見てるのに、改めて認識し直す。そんな綺麗な目で見つめられたら、そらせなくなる。
「すげーかわいい」
「涼太は、かっこいい…」
「はは、知ってるっスよ」
「…ばか……んっ」
再びを唇を塞ぐ。
もう止まりそうになかった。最初はあたしも全然乗り気じゃなかったのに。
だめ…、気持ちいい…。
そのままあたしたちは、キスに溺れた。
end.
⇒おまけ