Love you

□その19
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ガチャ


居間へ行ったらなんかさっきまではなかった鍋がテーブルに置いてあった。



なんやろ?


一人蓋をあけて中を覗き込んだ。



「ふ…あいつ…憎いことしてくれるやないか」


そこにあったのは、俺の大好物のぜんざい。



ここに元々あったんやろか?


一口味見をしてみた。


これ、橋本が作ったやつやな。


味見ですぐにわかった。


この前とおんなじ味やし、むちゃくちゃうまいねん。


こんなうまいぜんざい作れるんは、きっと橋本だけや。



そんなことを思いながらソファに横になったら、いつのまにか寝てしもた。













──


白「…財前!はよ起きなぜんざい食ってまうで」



財「……ぁ゙??」


寝起きは最高に機嫌が悪い。が、ぜんざいと聞いてすぐ目を覚ました。




財「あ…先輩方、おはようさんっす」



謙「おお、それより、由奈ちゃん昨日帰ったみたいやな」



財「俺が送ってったすわ。夜道危険やし」



白「抜け駆けっちゅうことか」



抜け駆け?


あんたに言われたない




あんたにだけは言われたない。


橋本と何があったんかは知らへんけど、あんたには言われたない!



抜け駆けやて?
部長のが抜け駆けやろ!



今久しぶりに謙也さんよりうざい思った。



財「ぜんざい、うまかったすよ」


ユ「光、食うたんか」



財「昨日一口」


あーあ…
なんか俺一人でたいらげてまえばよかったわなあ



みんな食うんやろ、これ。



金「これも由奈ちゃんが作ったんかぁ、ほんまに料理うまいんやなぁ!」


銀「朝とはいえどこれは身にしみる」



みんなうまそうに食べとる。


まあ、うまいんやけどな!


そや、今日学校やないか。

ほな、がんばら……




財「……ふぁぁ〜あ」



眠い。


今日一時間目はさぼり決定やな。橋本誘うか。


財「耳消毒せな〜」




とか言うて。
騒がしい朝。


部長は朝から金太郎に毒手やなんや言うてはるし


ユウジ先輩とかも朝から浮気か、死なすぞとか言うてはるし



謙也さんなんて浪速のスピードスターの方が上やっちゅー話やとかほざいとるし。


別にそないな話誰も聞いてへんわ!




とにかく、騒がしい朝やった。


白「ほな、そろそろ行こか」


と言ってみんなで学校に向かったっちゅーわけ。





学校着いたら結構みんな勉強一色やった。


まあ、明日テストやからなぁ…。



はっきり言うて、昨日は全然勉強にならへんかったやろ?


ま、今日また頑張ればええか!




…あ!橋本や。



元気そうで安心したわ。


そんで1、2、3年はそれぞれ校舎別やから先輩達と別れて、金太郎もひょっこりいなくなっとった。



そっからは一人。



そや、とりあえず橋本をさぼりに誘わなあかんかな。



財「橋本、おはようさん。一時間目さぼりで頼むわ」



「あー…ごめん!テスト前の授業だしさ。午後にしようよ午後!話によれば自習っぽいし!……ね?有紗……ていないし!(笑)」





初めてや、
断られたのは。

けど午後あるて言うし、まええかな。


松井さっきぴゅーんて一人でどっか行ってまったで!

てか俺もさぼるのよすかな。


これだから謙也さんと同じ扱いされてまうんやな。



財「ふーん…。あ、橋本、ぜんざいどうもおーきに」


「あっ食べてくれたんだ!よかった」




財「めっちゃうまかったわ」



「あの日以来得意料理だからね」


財「…また作ってな」




「もちろん!いつでも言って」



財「おお」



今日は部活あらへんから、昨日より勉強できるらしい。


「今日も白石先輩んち?」


財「そや」



「ふーん、わかった。ありがと」



そんで話しながら教室向かった。




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