Love you

□その19
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財「てか遅すぎやないすか」


白「なに人んちに勝手に上がっとるん」



軽くキレ気味な白石先輩。


「す…すみません」



謙「由奈ちゃんはええんやで?どーせ財前に連れ込まれたんやろ」



「つ、連れ込まれてはいないです」



小「まあええやないか。明日はテストやで。ほな今日頑張らなあかんやろ?」



白「今日も泊まり込みでやるで!昨日は全く進まへんかったからなっ」




泊まり込み?


金「えぇー!今日もなん!?」


泊まり、込み?



「それって、あたしも?」


全「当たり前やろ」




みんな揃って言わなくても…。



「てか、勉強道具以外持ってきてないんですけど」


財「なんとかなるやろ」



ええ!!Σ


白「ほな始めるで」



と強引に決められまたマンツーマンの勉強会が始まった。



昨日よりみんな集中してる感じ。



遠山君もいつになく頑張ってる。



千歳先輩もちゃんと教えてくれた。


学校遅刻ばっかりなのにどうやったらこんなに頭よくなれるんだろう。




三時間経過し───



白「さ!夕飯にしよか」



「あ、あたしまた作ります」



白「おーきに。頼んだで」

「じゃあまた買い出し行きます」



財「ほなまた俺が…」


ユ「光は勉強しとき。いこか由奈ちゃん」


光の言葉を遮って一氏先輩があたしに声をかけた。


ユ「俺暇やしな。それでええやろ、白石」



白「ああ、はよいってきぃ」



ユ「ほないこか」



ていうか、一氏先輩が誘ってくれるなんて、珍しー。

ユ「今日はなに作るん?」


「うーん…すき焼き、考えてるんですけど」



ユ「ほんまか!?おーきに」


「そういえば、こないだのぜんざいおいしかったですか?」


ユ「めっちゃおいしかったで」


「じゃあ今日も作ります。得意料理ですから」


ユ「ははは(笑)なかなか笑かしてくれるやないか」



一氏先輩は自然な笑いを見せた。この先輩は、特に信用してる先輩の一人。


材料を揃えてレジに向かう途中、一氏先輩は言った。



ユ「今日五時間目に3年の女になんか言われたらしいな」


「え…何で知ってるんですか」


ユ「あのうっさい女、同じクラスなんや。さぼる言ったわりにはよ帰ってきた思たら…テニス部のマネージャーどうたらこうたらゆうとってな!一発かましたで」



「へ、へぇ…なんて?」


ユ「“そないなことは白石に言い!”ってな(笑)」


「それ、光と同じこと言ってますよ」


ユ「ほんまかあ?ちぇー」



ははは(笑)
一氏先輩、面白い人だな。


ユ「…そや今、光って言うとったな?そないな関係にまで発展したんか?(笑)」


そないな関係ってどんな関係だよ!


「別に発展なんか…してない、と思います、けど…」


ユ「とか言うてほんまは気になってるとちゃうん?」


一氏先輩はあたしの心を読んでいるかのような素振りを見せた。


「き…気になってなんか…ない、です」


ユ「由奈ちゃんは嘘が下手くそやな。大丈夫や。俺は誰にも言わへんから」


全て見透かされてるような気がして、あたしはその言葉を信じ、深く頷いた。



ユ「やっぱ、気になってたんやな」


「気になるっていうか…意識してるというか…」


ユ「それが、“好き”っちゅうことやと思うけどな」


一氏先輩なら、信用できる。


誰にも言わないって言ってくれたし、


でも、相談するには早いし、悪い気もしたんだ。




「好き…なのかも」


ユ「かもってなんや(笑)」



「いや…あの…」



ユ「まあ無理して考える必要ないわ。このことは白石にも謙也にも…小春にも!秘密にしといたるから安心し。ほな、帰るか」



少しだけ、心が安らいだ気がした。



またそのときがきたら、一氏先輩に相談しようと思う。



てか何で白石先輩と謙也先輩なの?金色先輩はわかるけど。



ま、いいや。



そのままあたしと一氏先輩は白石先輩の家へと足を進めた。






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