Sweet

□だいすきなきみへ
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「俺は二年。先輩は三年。話す機会は滅多にあらへん。せやけど俺の知らへんとこで部長や謙也さんなんかと仲良うしとってるなんて、もう耐えられへんわ。…嫉妬で狂いそうになるんすけど」




「………」



「やっと会えた思たら告られとるときなんて運が悪すぎっすわ。あき先輩にだけは見られとうなかったすわぁ…」



「光モテるんでしょ?あたしなんかより他の可愛いコと付き合えばいいじゃん」



なんて、思ってない。



他のコと付き合えばいいなんて、いいわけない。



光が好きなのに。


素直になれないあたし。




「あたしだって…妬いてるよ。ほんとは」



思わず口から出た一言。



「…なんや、先輩も同じやったんすか。ならもうこのあとの言葉はいらないっすよね?」




いつもなら、「え?」となってしまうけど、光の言いたいことがわかっていたから、何も言えなかった。


いや、言わなかった。





光は左手であたしの横の壁に手をついて前屈みになった。




────チュ



リップ音と共に重なった唇。


深い深いキス。





言葉はなくても互いにわかったのだ。



好き同士だったってことに。




素直になれない者同士。


けど言葉にしなくてもこの気持ちだけは伝わっていると思う。




光、だいすきだよ!









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