Sweet
□モノマネの王子様
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「…ちゅーか、部活ええの?行かへんでも」
「何でや??」
「何でって…あの白石、キレたら絶対怖いやん」
白石、て言うた瞬間、ユウジの表情が変わったのがわかった。
「ユウジ??」
次の瞬間、信じられへんことが起きたんや。
ユウジは前からうちの手を引いてそのまま腕で抱きとめた。
「え…ちょ…」
「浮気か…死なすぞ」
うちを抱いたままいつになく小さな声で呟いたユウジ。
何が、起きてるんや。
何でうち、ユウジの腕の中におるんや。
頭がパニックになってた。
おかげで何も言えへんかったんや。
また、つっこめやなんて言われそうやったけど、そこまで頭回らへんかった。
「俺の前で…他の男の話せんといて……」
それは、小春にも言うてることなんやろか?
それとも、うちに向けた言葉なんやろか…??
けど、なんか違う。
こんなユウジ、見たことあらへん。
「ユウ……ジ」
「あのな、あき…。聞いてほしいことがあるんや」
抱きとめたままユウジは言う。
「うん……」
「今日あきとおれてめっちゃ楽しかった。小春の代わりやなんや言うてたけど……ほんまは…代わりなんかや、ない…」
それって、どういう、、、
「あきと一緒におると、めっちゃ楽しいねん。一緒におらへんと、なんか心にぽっかり穴があいたみたいになる」
“だから…”
とユウジが言うたところでユウジは言葉を一旦止めて、震えるような声で言うた。
「……他の男と話してたりするん、めちゃめちゃむかついててん…。だから気ぃ引きたくてあきのモノマネしたりからかったりしとったんやで……?」
心臓の音がうるさいくらいに聞こえる。
ユウジに聞こえてるんやないかって思うくらい、派手に脈打っとって。
「あき」
「何…?」
「俺、思ってたよりあきに惚れてるみたいや…」
うそ…
うちに惚れてる?
信じられへんかったけど、ユウジはそのあとすぐに言うた。
「好きや。小春の代わりなんかやない……どうしようもないくらいあきが好きなんや………」
「………ちも」
「??」
「うちもユウジが好きや。ずっと前から好き、やった……」
自然な流れでさらりと出てきた言葉。
練習も相談もない。
けどそれは風のように自然にうちの口からこぼれ出た。
言った瞬間に赤面。
しばらくユウジに顔を眺められて、うちは思わず目をそらす。
その笑顔、反則やって言うとるやん。
思い切って顔を上げてユウジを見た。
あー…やっぱりユウジはかっこええ。
そう思ったときの不意打ち。
ユウジから浴びせられた深いキス。
びっくりしたけど、すんなりと唇を受けとめた。
放課後の教室で、
甘いキスを繰り返す二人。
もう…怖いモンなしやっ!!!(笑)
END\(∀)
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