PLAYERSU

□もっとよく見せて
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「みくっち〜…」
「なぁに?ちょっと、動かないで」
「ち、近いっス」


俺の左耳に限りなく顔を近付けてツンツンってしたり軽く引っ張ったりしていじるみくっち。

どうやら俺の左耳についてるピアス、はたまたピアスホールに興味があるらしい。


「うわあ、本当に穴が開いてるんだね」
「当たり前っスよ!」
「引っこ抜いていい?」
「駄目っ!駄目っスから!そんなことしたら痛いじゃないっスか」
「冗談だよ、涼太」
「みくっちが言うと本気に聞こえるっス……」


ちょっとげんなりとしながらもさもみくっちは楽しそうにするから、拒否することなく触らせてあげる。


にしてもみくっちってば本当近すぎ。女の子独特のいい匂いが俺の鼻孔をくすぐる。

加えて耳を触られればそりゃもう俺ですらドキドキしないわけがない。

それに気がついたのかみくっちがふと耳元で笑った。



「涼太なんか首筋まで赤い」
「そりゃみくっちがそんな耳元で喋るから〜」
「あ、そか。涼太は耳が性感帯だったね」
「それは違うじゃないっスか!」
「違わないよ」


"だって、ほら"とか言って急に指先とは違う感触が耳に伝わる。それに思わず"いっ!?"と柄にもない声を出してしまった。


どうやらみくっちが俺の耳にキスを落としたらしい。軽く耳元でリップ音が聞こえた。

「もー、俺のピアスに興味あるんじゃないんスか?」
「あるよ」
「じゃあなんでそんなことするんスかー?」


そう呆れたように聞く。実を言うとみくっちからこんなことしてくれるのは嬉しいし、満更でもないけど、あんまり嬉しそうな顔をしたらなんとなくちょっと悔しい気がした。

でもそんな俺にみくっちは容赦ない。



「なに、嫌なの?わたしにはそうは見えない」
「ちぇ、みくっちはわかってて俺にそういう事言うんスね」

ため息を1つ吐いた。

「怒った?」
「別に、怒ってないっスよ」

"ふーん"とか言いながらまたピアスを眺め出す。振り出しに戻ったみたい。


「わたしも開けようかな」
「ダメ。俺が許さない」
「自分はいいのに人はダメなんだ。やっぱり引っこ抜いてやろうかしら」
「それはマジ勘弁っス!好きな子にはやっぱ自分の身体大切にしてほしいんスよ」


すると少し間が空いてみくっちは言った。


「…わたしのこと好きとか思ってくれてるんだ?」
「……好き、スわ」

みくっちのそんな物言いに珍しく素直に反応すると、彼女も少し躊躇いを見せながらも耳元で囁くようにぼそり、とつぶやいた。


「まあ…わたしも、好きだけど」


そういうとこ、マジたまんない。一気に俺の中での萌えゲージが上がる。

きっと俺もみくっちも、今首から上は全部真っ赤になっているに違いない。




そんなみくっちの顔を見ようとしたら、"見ないで"と言わんばかりに横から抱きしめられた。











end.
12/11/04

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