Sweet
□強がりな後輩
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季節は真冬だった。
「ああもう最悪っ!!!」
あたしは今、居残りで勉強をさせられている。
ほんとありえない…。
教室は寒いし、日が落ちるのも早いし、居心地も最高に悪い。
英語はいくら単語書いても頭に入らないし、数学はいくら見ても公式が覚えられない。
あたし、こんなに頭悪かったっけ。
少々投げやりになりながらも、とりあえずノートのページを埋めていく。
「はっっくしょん!!!!」
おまけに風邪も引いたらしい。
寒い〜……。
マフラーも忘れたし、ほんとついてない…。
そのとき廊下から、足音が聞こえた。
先生かな?
と思って、ちゃんとやってるフリをした。
この教室の前で足音は止まり、扉を開ける音がした。
ガラガラ
「……あき先輩?」
そう言われて、扉の方を見た。
「…なんだ、財前か」
「なんだとはなんすか」
「でさ、何か用?」
「用ってほどの用やないすけど」
財前は何故か呆れた表情を見せる。
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