Sweet
□鈍感すぎるアホ
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「白石ー、どないしたらええんや俺は…」
「なに急に落ち込んでるん」
「だってなー…あきちゃんは最近財前によう話しかけとるんやで(泣)」
「あきちゃんてあの、二年生の美女言われとるあのあきちゃん?」
「…そや」
「なんや謙也、好きなんか」
「周りの奴らが目つけるずっと前から好きやったのに、最近ほんま財前と話してばかりて聞いたんや…」
俺は忍足謙也。
四天宝寺中テニス部の三年。
中三は恋に悩む時期でもあるんや。
実際、悩みまくり泣きまくりの俺。
しゃあないから、クラスでモテモテの白石に相談しとるっちゅーわけ。
俺の好きな子は歳が一つ下のあきちゃん。
けど、ほんま今モテ期らしいねん。
結構おんねん、あきちゃん狙うてる男子。
二年だけやなく、三年でもよく聞くんや。
けど告白した誰もが即ふられとるっちゅー話。
やっぱ、他に好きな奴とかおるからなんやろか?
けどあきちゃんが好きな男子なんてまったく想像つかへんかった。
……さっきまでは。
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