PLAYERSU

□あなたの弱み
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「大丈夫…って言いたいところだけど……つらいな、正直」

こんなみくさんは今まで見たことがなかった。
いつも明るくて、気さくで、どちらかといえば他人をよく励ますくらいなほうで。
だから、そんなみくさんをこんな表情にしてしまうなんてよほど彼氏のことが好きだったのだとわかった。

そう考えたら少し複雑な気分になった。
僕の気持ちなんてきっと眼中にも入ってないんだろう。

「…………っ」

そのとき、みくさんがわずかに涙を流しているのがわかった。声を押し殺して、でもそれを拭おうとはしなかった。

「………みくさん、」
「ごめ…黒子くん。本当は黒子くんの前じゃ泣くつもりなかったんだけど…」

その声は震えていた。強がっているみたいだった。

「授業、始まっちゃうから…わたしなんか気にしないで教室戻って……」
「そんな、みくさんのこと、ほっとけないからここに来たんです。だから…」

そのときみくさんが不意にキッと顔を上げて僕のこと座ったまま下から見つめてきた。

潤んだ目で上目遣いをされて、一瞬自分がここに来たわけを忘れそうになる。

それほどまでにみくさんのに心を奪われているのだと思わざるを得なかった。

そのまま僕の目を見たまま、言った。

「じゃあ…黒子くん?1つだけ、お願いしてもいい…?」
「なんですか?」

「もう少しだけ、ここにいてくれないかな……?」
「もちろんですよ」

いくらでも、そばにいよう、そばにいたいと思った。
まさかみくさんのほうからそんな風に言ってくれるなんて思ってなくて、自分のことを頼ってくれているのだと思うと胸が高鳴った。

するとみくさんは僕の手を軽く引いて隣に座らせる。

手に触れられるなんて初めてだったし、隣に座るのも初めてだったのに、僕はやけに冷静だった。

ここで僕が動揺を見せれば、かえってみくさんを不安がらせてしまうと思ったからである。


しばらく黙ったまま、みくさんは話そうとしなかった。

でも、少し経つとスルスルと繙くようにぽつりぽつりと話し出した。



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