PLAYERSU

□キスで鎮めてあげる
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「…で?どうしてこうなったか、説明してくれるかな」

「う…あの」


只今の状況。どうやら征ちゃんはお怒りの様子で、あたしの部屋のあたしの椅子に腰掛けて足を組んだままあたしに冷ややかな視線を浴びせていた。

あたしはというと、はい。床に座らされています。座る椅子なんて与えられていませんよ。

で、なぜ怒っているのかというと、あたしが征ちゃんの誕生日をすっかり忘れていたからである。

まぁ…それだけではないけど。それはあとで説明するとして。



もともとあたしも帝光中出身で、征ちゃんとは中学校の卒業間際に付き合いはじめた。つまりは、遠距離恋愛というやつだ。

けれど、どうやらウィンターカップとやらが東京で開催されるらしく、久々にあたしの家に行ってもいいかと言われて、快くOKした。



あたしの部屋に上がってもらうなり、軽い気持ちで"そういえば征ちゃんって誕生日いつだっけー?"なんて聞かなきゃよかった。

そう聞いた途端に征ちゃんは不機嫌になってしまったのが、あたしはそれに気付かずさらに余計なことを言ってしまったのだ。


「あれ、冬生まれだったよね?…えーと、1月31日だっけ。……あ、違うねこれ黒子くんの誕生日だった!あはは」

なんて一人で聞いて一人で納得していたら、ギロ、と征ちゃんに睨まれた。そこではじめて彼が怒っているのに気がついた。


そして、一言。

「どうして、テツヤの誕生日は覚えているくせに、僕のは覚えていないのかな、みく」

「へっ?あ、ごめんね。あたしどうも人の誕生日とかすぐ忘れちゃうみたいで…ほんとごめん…。黒子くんの覚えてたのもたまたまだから…えっと、ごめん。征ちゃん誕生日いつ?」

とりあえず繰り返し謝ったが、結局思い出せずやっぱり聞き直したら、征ちゃんの怒りはピークに達したらしい。


きっと、単に忘れてただけならまあ許してくれただろう。

でも、日付が悪かった。なんたって今日がその誕生日当日ったのだから。

かなり凄みのある声で征ちゃんは言った。

「僕の誕生日は、12月20日だ」

「…あっそうそう!そうだった!思い出したよ………って、あれ」

あたしはその日付を聞いて咄嗟に考えた。

「今日の日付を言ってみようか、みく?」

「えっ……あの、せ、征ちゃん」


「言ってみようか、みく」


「じゅ…12月、20日です…」

気がついたときには、遅かった。

征ちゃんの怒りは収まらない。


たしかに、彼氏の誕生日である今日を忘れて、特に何も関係のない黒子くんの誕生日を覚えてたら、そりゃ征ちゃんだって怒るだろう。

何回も謝ったけれど、依然として冷めた目であたしのことを見続ける。



そうして、床に座らせられて、まるで本当に主従関係があるかのような今の状況に陥っているというわけである。



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