PLAYERSU

□たまに伝える素直な気持ち
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「青峰くんは、桃井さんとは幼馴染だっけ?」


「そうだけどそれがどうかしたのか?」




ふうん、と相槌を打つ。

まあ聞かなくてもなんとなくわかっていたことなんだけど。


わたしと青峰くんは付き合っているということになっているし、あまり心配とかする必要はないとは思っているけれど……、不安にはなる。



幼馴染であのルックス、しかも部活まで一緒となると不安にならない彼女がどこにいるというのだ。



そんなことを考えながらゆっくりと帰り道を歩いていたとき、ふと彼が口を開いた。




「もしかしてみく、妬いてんのかよ?さつきに」


「へっ?いや……その」


「んだよ、図星か」


「えっと……う……ごめん、そのね」




青峰くんはわたしの様子を見てふーんと言ってからため息をついた。



「まぁたしかに、そのうち目移りしちまうかもな」


「えっ!そんなこと……」



すると彼はすぐに笑って、


「冗談に決まってんだろ、馬鹿」


って、わたしの手を唐突に握った。



「……じょ、冗談にしては、たちが悪いよ、青峰くん…」



「うるせーよ、悪かったなタチが悪くて」


本当に手を握るタイミングが唐突すぎて思わずびっくりして、わたしも強く握り返したり。



そのときフイッと顔を背けてしまったけれど、彼がわずかに照れていたことは見逃さなかった。







「じゃあ、わたしこっちだからまたね」



立ち止まって手を離して別の道に行こうとしたのに、なぜか青峰くんはわたしの手を離さなかった。



「……?」



「俺はまだ帰るなんて一言も言ってねーぞ」


「…は?え?」



わからないでポカンとしていると、"察しろよ"って急に目を合わせた。



「さっ……しろ?」


「だから、俺はまだお前といてーって言ってんだよ」



そう言ったあと、付け加えるように、はたまた独り言のように、



「チィ…言わせんなよ…」


と呟いて視線をそらした。


わたしはなんだかそれが嬉しかった。嬉しくてしかたなかった。



「じゃあ…どっかご飯でも食べに行こっか?」


そう提案すると返事をしないで私の手を強く引いて歩きだした。



不器用な彼なりの返事なんだと思った。




「さつきのことで不安にさせちまったのもあるしな……」


「え、何?何か言った?」



「いや、なんでもねーよ」



そんな青峰くんに笑顔を向けながら、もう一度手をしっかり握りなおしてゆっくりと歩いていった。











end.
13/02/21

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