PLAYERSU

□過去のトラウマ
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それから数日経ったある日のお昼休み。




涼太は普段お昼は屋上にいることが多いと聞き、向かった。


学校内じゃほぼ赤の他人であるわたしと涼太。


だから、学校での様子なんて知らなくて。もちろん、一緒に学校でお昼を食べたことなんてない。



けれど今日わたしは初めて一緒に食べたいと思った。


そして言うつもりでもあった。こんな付き合い方なんて嫌だと。




扉を開けると、眩しいくらいの金髪が目に入った。涼太だ。



こっちを見るなり驚いてむせ返った。



「みく…!?なんで!?」


「…えーと、その…一緒にごはん、食べたいなー…なんて」



「嫌っス。だいたい、一緒にいるとこ見られたりしたらどーするんスか」



と、冷たく即答された。


あまりにあっさりと返されたのでショックどころか固まってしまった。

一応、彼女のわたしに対してこんな物言いをするなんて普通だったらもうわたしが引っ叩いてもいいレベルだろう。




が、わたしは単刀直入に涼太に言い放った。


「そのことなんだけど」


「?」


「隠れて付き合うの、もう嫌なの」



きっぱりと言うと、涼太は一瞬だけ悲しそうな、困惑しそうな、複雑な表情を見せてから、立ち上がってわたしの元へと歩み寄ってきた。



今まで見たことのない、見下したような目をしていた。



そして涼太は軽い感じに言い返した。



「じゃあ別れる?」



一瞬、理解できなかった。

すると、もう一度涼太は言った。


「付き合うの、疲れたってことっスよね?それってつまり」



「違う、違うの涼太」


「?」


「隠していたくない。友達に…涼太のこと好きな子だっている。それでもわたしは、涼太と別れたくないの」


すると涼太は"へぇ…"と呟いてそれを1言で簡単に言い返した。


「ずいぶんとわがままっスね。まぁ知ってたけど」



「……っ」



「それに、もう今更だと思うっスけどね?だって、その友達に言うんスよね?本当は3ヶ月も前から俺と付き合ってたって。そんなこと、みくに出来るわけない」



当たってた。

わたしに、そんなこと言う勇気なんてなかった。

普段は適当な受け答えばかりのくせに、なんだかんだで涼太はわたしのことよくわかってる。

だから、悔しいくらいに痛いところをついてくる。



「……ほら、図星だから何も言えなくなる」


「……わたし、言えるから…。つらいけど、言えるんだから…!」


ただの見栄だってことくらいわかっていたけど、こう言うしかわたしにはできなくて、泣きそうになる。

でも、泣いたら絶対にダメだと思ったから、まっすぐに背の高い涼太を見上げた。




すると、いきなりだった。


わたしの手を引いて屋上の端のフェンスまでわたしを連れて行って、そこに乱暴に押し付けられた。



「涼太…!?な……に……っ」



右足をわたしの足の間に入れて間を詰めたと思ったら唐突に首筋にキスをされる。


「…ん…っ」


チクッと痛みが走る。きっとキスマークをつけられたのだろう。


「首はっ…目立つから駄目…」


「見られるの嫌なんスか?誰につけられたか聞かれるのが怖いから?」


「…んんっ」



わたしの答えを聞かずにもう一つ傷痕をつける。


「やっ……」


抵抗しようとして涼太の胸板を押すとその手を取って後ろのフェンスに押し付けられた。


「りょ…た…!駄目だよ、下から見える!」


「別に良くないっスか?だって俺とオープンに付き合いたいんでしょ。だったら見せつけた方が早いんじゃ、ないっスか?」



グッとさらに足を強く割り込ませてくる涼太。今にもキスされそうな距離で言われて、動揺を隠せなかった。


頭がクラクラした。涼太が至近距離でわたしに話しかける度に胸が破裂しそうになった。


それくらい意識していて。それくらい好きなんだと認識させられる。





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